人群万類愛善・万教同根の理想を掲げて

世界宗教連合会発会式
(中国北京 1925.5)
人類愛善会の設立へ
1924(大正13)年、出口王仁三郎師は『霊界物語』の口述に心血を注ぎました。と同時に、そこに示された神の経綸を、自ら実践に踏み出します。それがモンゴル訪問でした。
王仁三郎師はモンゴルに旅立たれるに際し、遺書を残していますが、その中に、「東亜の天地を精神的に統一し、次に世界を統一する心算なり、事の成否は天の時なり、煩慮を要せず、王仁三十年の夢今や正に醒めんとす」と記されています。
モンゴル行きの最大の目的は、人類の危機を予見した王仁三郎師が、万教同根の理念に基づき、宗教の世界連合をつくりあげ、世界恒久平和を実現することにありました。
しかし、王仁三郎師によるモンゴルでの大活動は、当時の中国の軍閥・張作霖の妨害によって中断し、日本への帰国を余儀なくされます。帰国後に王仁三郎師は、モンゴル訪問は現界的な型として成功したと言っています。約4か月の破天荒の冒険は、当時のアジアの惨状をつぶさにご覧になり、アジアの民族的精神的融和こそ世界平和の要であると悟られたのであります。
1925(大正14)年5月20日出口王仁三郎師の提唱で世界宗教連合会の発会式が行われました。この時に参加した諸宗教団体は、大本・道院・道教・救世新教(悟善社)・仏陀教(ラマ教)・イスラム・仏教・キリスト教の一部でした。このようにして発足した世界宗教連合会の総本部は北京におかれ、東洋本部は亀岡に設置することになりました。
この「世界宗教連合会」発会の目的は、長い歴史の中で繰り返されてきた宗教対立・民族紛争に終止符を打ち、「万教同根」の理念を掲げ、一つの神のもと、宗教同士の対話、協力連帯を深め、人類和合の精神的統一をめざし、正義と、平和な国際社会の構築をめざすというものでした。
1925(大正14)年6月9日出口王仁三郎師は、人類愛善会を設立しました。
この会の主旨は、人種、国籍、宗教等あらゆる障壁を超越して、「人群万類愛善」「万教同根」の精神によって世界恒久平和を打ち立てようというもので、地上天国建設の理想を掲げた活動を重ねてきました。
しかし、1935(昭和10)年、当時の日本政府による“大本”大弾圧にともない、1935年から1949年までの14年間、活動を休止していました。
活動再開後は、出口王仁三郎師の理想実現のため、人類愛善会の国内協議会・海外の本部や分会組織をはじめ、共鳴していただく内外の宗教団体や外郭団体、一般団体とも広く協働しています。